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FAQ
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Q: トライボロジーってなに?

A: 摩擦・摩耗・潤滑のメカニズムなどを扱う学問領域の名称です。ギリシア語で「摩擦」を意味する tribos を語源とし、1965年にイギリスでまとめられた摩擦や摩耗による損害を推定した報告書(ジョスト報告)で初めて用いられた造語です。日本では1992年に潤滑学会がトライボロジー学会と改称しています。
Q: 身の回りにあるトライボロジーを教えて

A: 自動車にオイルがなくてはならないのは誰でも知っていますが、コンピューターのハードディスクやDVDの回転ディスクと読み取りヘッドの摩耗防止、ATMの紙幣とローラーの間の摩擦コントロールなど、トライボロジーの進歩がこれらの普及に大きく貢献しています。
Q: トライボ要素ってなに?

A: 機械システムに共通に用いられている部品を機械要素といいますが、多くの機械要素は摩擦や摩耗によって、"トライボロジー的な"損傷が発生します。この影響を受けやすい要素を、トライボ要素と呼びます。軸受、歯車、カム、ねじ、案内面、ブレーキ、シールなどが主なトライボ要素で、トライボロジーを使ったメンテナンスの対象として重要です。
Q: トライボ診断ってなに?

A: 潤滑剤中の摩耗粒子を分析し、機械の状態を診断・評価するコンディションモニタリング技術。潤滑剤の状態のみを分析する一般的なオイル分析とは違い、その潤滑剤を用いている対象設備の健康状態まで診断します。例えば健康診断での血液検査をイメージして下さい。定期健診で調べる赤血球数などの一般的な項目に加え、更に専門的・詳細な項目にまで着眼する精密診断の内容です。
Q: トライボ診断で何が分かるの?

A: 一般的なオイル分析で行われる潤滑剤の性状分析だけでなく、潤滑剤中の「摩耗粒子」を詳細に分析・解析することで対象設備の健康状態 ~劣化程度・摩耗部位の特定・余寿命など~ を非分解・非破壊で把握することができます。
Q: トライボ診断を実施するのに特に効果がある設備は?

A: 状態監視保全に適している設備機械に大きな効果が期待できます。トライボ診断は潤滑部の状態を判断する技術であることから、対象設備の劣化が潤滑部に代表される機器であればあるほど、トライボ診断の結果が正確に機器の状態を反映するということになります。
例えば、対象設備の分解整備を行う目的が「潤滑部の部品交換のため」という場合、不用な [分解] [作業] [部品調達] に掛かる [コスト] [時間] [運転不能期間] を削減・短縮できるトライボ診断の効果は高くなります。
Q: トライボ診断はどれぐらいのインターバルで実施すればいい?

A: 対象設備の稼働率や負荷、発停回数等が異なるため、診断周期は一概に示すことができません。油量や機器の使用期間、重要度等により決定する必要があります。
運転実績で故障の確率が低い時期や分析値が良好で安定している場合には、診断頻度を長く取るのが経済的です。また、複数の機械を同程度の運転状態で稼動させている場合は、代表的な1台を短い周期で診断し、その他の機器は頻度を長くするという工夫ができます。

以下の表はあるプラントにおけるトライボ診断実施頻度の一例です。

トライボ診断の実施頻度
機械の種類 運転時間(HR)
油圧装置 200
ギアボックス(高速) 300
ギアボックス(低速) 1000
ジャーナルベアリング 500
すべり軸受 500
コンプレッサー 500
Q: トライボ診断の分析メニューからどの分析メニューを選べばいいの?

A: 対象設備の初期値を押さえる意味で、新設時あるいは分解整備後の機器が健全な状態にある数回は [総合評価/精密設備診断] を実施することを推奨します。
その後、分析値の変動状況や油量等を考慮して分析項目を減らした目的別メニューに移行するのが効果的です。
Q: 異常摩耗の発生から故障に至る時間が短い設備でもトライボ診断は有効?

A: 例えば「すべり軸受」は一般的に大型の機械に使用されることが多く、一旦焼付き等が発生すると大きなトラブルの原因となります。トライボ診断は故障に至る状態の変化を早期に検知可能なので、異常摩耗の発生から故障に至るまでの時間が短い設備にも有効です。そのような設備に対しては、トライボ診断の実施頻度を短くする、他の診断手法も並行して採用する等の対策をとった更に信頼性の高い状態監視が必要となるでしょう。
Q: グリースの診断もできる?

A: グリースも診断可能です。分析実施項目が潤滑油と異なり、例えば性状に関してはちょう度や滴点を実施します。しかし、潤滑油の場合と同様に、如何にして代表性のある試料を採取できるかという点が重要となります。サンプリングの観点から、グリースは潤滑油と違って流動性が小さく攪拌され難いことから、対象設備の状態を反映した試料の採取が困難である場合があります。その場合、診断結果が対象設備の状態とは異なる場合があることに注意する必要があります。
Q: グリースのサンプリング時の注意点は?

A: 例えば軸受箱を開放できるような場合、直接軸受内部のグリースを採取するようにします。それができない場合、堆積したグリースの中から最も軸受に近い箇所から採取するか、グリースガン等により給脂を行った際に押し出されたグリースを採取することで対応します。
Q: 分析値が他社と異なることもある?

A: 分析項目のほとんどがJIS規格に則ったものであることから、業者による分析値の差異はほぼないと考えられます。仮に業者間で分析値に大きな差が見られる場合は、採油箇所や方法等が異なっている可能性があるので、採油条件に違いがなかったかを検証することが重要となります。
一方、得られた分析値をどのように判断するかに関しては、経験やノウハウにより差異が生じます。潤滑状態が明らかに良好である、または劣悪である場合、分析値と診断結果に大きな差が出る可能性は低いと考えられます。しかし、潤滑状態が中間的或いは遷移的状態であれば、その差は大きくなる可能性が高まります。したがって、診断結果を受けとる際は、提示された分析値からなぜそのような診断結果になったかの見解に着目することが重要となります。
Q: オイルの交換・補給・ろ過を行うと正確な診断ができないのでは?

A: オイルの交換・補給・ろ過を実施すると油中条件が変化するためオイル交換等の前後では分析値が異なったものとなります。しかし、トライボ診断は摩耗粒子の量だけでなく異常摩耗粒子の形状や大きさにも着目しているので、オイル交換等の後でも正確な診断が可能です。診断の信頼性を上げるために、オイル交換等を実施した場合は、その情報を正確に伝えて頂く必要があります。
例えばオイル交換等の成果を確認するために、交換前の分析値に交換後の摩耗粒子の量を加算することによりオイル交換を実施しなかった場合の摩耗粒子量を推測することもできます。
Q: 採油は対象機器が停止中でも良い?

A: 機器の停止中は潤滑油中の摩耗粒子が滞留・沈降・偏在し不均一な状態となります。そのため基本的には機器が運転中で、潤滑油が流動している状態での採油実施が理想です。しかし、サンプリング時に回転部に接触する可能性がある、油量が少ない、噴出の恐れがある等、停止中に採油を実施しなければならない機器は、一定時間運転し、停止直後にサンプリングを実施する、或いは、ポンプ等により潤滑油を循環させている場合は、本体は停止し、ポンプだけを運転して流動状態の潤滑油を採油する等の対策が必要となります。
Q: トライボ診断を実施するための公的資格はある?

A: トライボ診断はトライボテックス独自の診断手法のため公的資格はありません。
しかし、メンテナンスの中核である潤滑技術をはじめとするトライボロジー技術に基づいた「機械状態監視診断技術者(トライボロジー)」があります。この資格はISO18436-4に準拠した資格認証であり、日本機械学会と日本トライボロジー学会により実施されています。
※ トライボテックスには15名以上の同資格取得者が在籍しています。

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